離婚とDVについて

これまでは家庭内暴力については、警察も「民事不介入」の原則から「家庭内の問題」と
軽視され、問題にされないことが多くありましたが、平成14年4月に「配偶者からの
暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」ドメスティックバイオレンス防止法(DV防止法)が
施工され警察に保護を求めることができるようになりました。
DV防止法とは配偶者(内縁関係を含む)から身体又は生命に危害を受ける恐れの あるものから
救済する方法を定めた法律です。ドメスティック・バイオレンスとは一般的に親しい男女間の
暴力を言いますが、DV防止法の対象となるのは、このうち配偶者間の暴力です。
この法律における配偶者とは、
1.婚姻届を出した(法律婚をした)男女
2.婚姻届は出していないが、事実上婚姻関係にある男女(内縁関係や事実婚)
3.配偶者からの暴力で離婚した元配偶者ただし、離婚した元配偶者からの暴力は
配偶者暴力相談支援センターでの相談や 一時保護等の対象にはなりますが、
保護命令は認められていません。
またDV防止法は殴る蹴るといった身体に対するものを想定していますので、
言葉でいたぶるといった暴力は原則としてこの法律の対象となりません。
この法律は配偶者からの暴力を対象にしており、女性に限定しているものではなく、
男性の被害者であっても、この法律による保護を受けることができます。
配偶者暴力相談支援センター
日常的に配偶者からの暴力をい受けている方は、配偶者暴力相談支援センターに
援助や相談をすることをお勧めします。配偶者暴力相談支援センターとは各都道府県が
設置する婦人相談所やその他適切な施設で、配偶者の暴力やの防止や被害者の保護を図る
ための施設です。
※相談や相談機関の紹介
※被害者やその同伴家族の一時保護
※自立支援のための情報提供など
※配偶者暴力相談支援センター
保護命令
保護命令とは、加害配偶者の暴力から被害者を守るために、裁判所が加害者に対して出す
命令のことです。
被害者は生命又は身体に重大な危害を受けるおそれがある時は、暴力を受けた状況等、
一定の事項を記載した申立書を自分、又は相手の住所を管轄する地方裁判所、又は暴力が
行われた場所を管轄する地方裁判所に提出します。
保護命令には2種類あり、
1.接近禁止命令 加害者に対し、6ヶ月間、被害者に付きまとったり住居、勤務先など被害者が
        通常いる場所の近くを徘徊してはならない。
        
2.退去命令    加害者に対し、2週間、被害者と共に生活の拠点としている住居から
退去すること。命令に違反する者は、1年以下の懲役か、100万円以下の
罰金が科せられます。
                
緊急時は警察に
緊急を要する場合は警察にも相談したり、保護を求めることができます。
警察に一時保護してもらえば、24時間対応の女性センターやシェルターなど、身の安全を確保
できる場所を提供してもらえるはずです。
また警察では通報を受けた場合、暴力が行われていると認められている時は「暴力の制止」
「被害者の保護」「被害発生を防止するための必要な措置」に努めるように規定しています。
DVの証拠を集める
DV被害者は加害配偶者に対して治療費や慰謝料の賠償請求をすることができます。
裁判の審議の過程でDV被害の状況を説明するには証拠を集めることが最も有効な手段です。
相手の暴力によって破損した物や破られた衣類、散乱した部屋の様子は写真に撮り、怪我をした
場合は、証拠として医師の診断書等で事実を証明することが必要となります。
証拠の収集は自分自身にとっても客観的な資料になります。
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離婚と行方不明について

行方不明が3年以上・・・
夫婦いずれかが長期に渡って音信不通いわゆる行方不明の場合の離婚手続きについて
民法の定めている法定離婚事由の「3年以上の生死不明」の場合とは、最後の消息が
あった時から計算して、生きているのか死んでいるのか分からない状態が3年以上続い
ているという意味です。
音信不通であっても、生存がはっきりしているような場合は含まれません。
居所が分からなくとも生きていることがわかっている場合は、「生死不明」ではなく
「行方不明」です。生死不明とは、生きているのか死んでいるのか確認できない状態を
いい別居や時々電話をかけてきたりするので、どこかに生きていることは確かであるが、
自分のいる場所も教えず、家に帰る意思もなさそうであるというのは「生死不明」とは
言えません。単なる別居、行方不明です。また、生死不明の原因、理由あるいは生死不明者
の過失は問いません。
したがって、配偶者に3年以上の生死不明の状態が続けば、その原因、理由あるいは配偶者の
過失や責められるべき事情の有無を問はず、そのことのみで離婚原因になります。
離婚するには裁判離婚の方法しかありません。家庭裁判所に提訴し離婚判決を得る事ができます。
3年以上の生死不明により離婚の判決が確定したときには、その後当人が姿を現わしても
判決が取り消されたり無効になったりすることはありません。
3年待たずに離婚できる場合もあります。
3年待たずに離婚できる場合は・・・
下記のように「婚姻を継続しがたい重大な事由」「悪意の遺棄」の場合には3年間待たなく
とも離婚事由があることになり離婚請求できます。
行方不明、生死不明の場合の生活費をどうするか(財産がある場合)
家庭裁判所に不在者の財産管理人の選任をしてもらい、財産管理人を相手に扶養料支払いの
審判、仮処分を申し立てます。管財人は家庭裁判所の許可を得て、財産売却、扶養料の支払い
をすることができます。

離婚と慰謝料

慰謝料算定にあたり裁判所が考慮するのは、双方の有責性、婚姻期間、双方の経済状態、未成年子の有無、財産分与による経済的充足等です。
慰謝料の平均は名古屋地裁で言えば200万円前後というところです。
高齢者の離婚や不貞を原因とする場合は、比較的慰謝料が高額になる傾向有り、1000万円や1500万円の慰謝料を認めた裁判例もありますが、これはむしろ例外で、一般的には500万円を超えることは少ないといえるでしょう。

養育費と親権について

養育費について
?どのようにしてきめるのか?
話し合いで解決がつかない場合は、調停や裁判により決めることになりますが、その際用いられるのが、裁判所が定めている養育費の算定票です。
この算定票は、子の人数(1人?3人)、子の年齢(0歳?14歳と15歳?19歳)、養育費を支払う側(義務者と呼称する)の年収、養育費を受け取る側(権利者と呼称する)の年収に応じて、義務者の支払うべき養育費の範囲を定めています。
尚、年収については、給与所得者と自営業者の2種類があります。
たとえば、子供が2人(9歳と14歳)、父(義務者、給与所得者)の年収が700万円、母(専業主婦)の年収が0円、という場合、養育費は月10万円?12万円の範囲となります。
この範囲で、個別事情を考慮して養育費を決めるというのが一般的です。
?一度決めた増減はできないのか?
養育費は一度決めても、その後の事情の変動により、増減することができます。
増額の事情としては、物価の上昇、子供の病気などが考えられます。減額の事情としては、義務者側の失業病気などによる収入の減少などが考えられます。
?決められた養育費を払ってこない場合にはどうするか?
養育費を支払う側の財産(給与や預貯金等)に強制執行をかけて、強制的に回収を図ることになります。
この強制執行については、平成15年に法律の改正があり、いまだ履行期が来ていない将来の養育費を確保する為の差押えもできるようになり、便利になりました。
尚、家庭裁判所から支払いの勧告をしてもらう(履行勧告といいます。)という方法もありますが、強制力はありません。
2.親権はどうなるのか
どちらに親権を帰属させるかにあたっては、父母側の事情と子の側の事情とが総合考慮されます。
前者の事情としては、経済力、居住状況、性格、従来の監護状況等が考慮されます。
後者の事情としては、年齢、その子の意思、従来の監護状況を維持するのとそれを変えるのと、どちらが適切か(子の順応性など)が考慮されます。